Imagine

昨日はジョン・レノンの命日だったことを忘れていた。1980年12月8日。月曜日か火曜日だったと思う。みぞれが降る寒い日だったが、私には胃が痛くなりそうだった国語学の演習がまさに終わった日で、気分も晴れ晴れと世界が明るく見えていた。夕方大学前の喫茶店で友人達とダベっていたときに、そのニュースを知らされたことを覚えている。その後しばらくの間、毎日「Imagine」を聴き続けた。
 
Imagine there’s no countries,
It isnt hard to do,
Nothing to kill or die for,
No religion too,
Imagine all the people
living life in peace …
 
この1980年という年は私にとっては大きな出来事がたくさん起こった年で、音楽についてだけ言うと、ジョン・ボーナムを失ったレッド・ツェッペリンが解散。アルバム『ラブ・ビーチ』を最後にエマーソン・レイク&パーマーが解散。確実に私の中でロックが終焉を告げた年だった。以降はジャズに興味が移ったが、ロックほどにはのめり込むことができなかった。だから、音楽がなければ夜も日も明けなかった私の一時代に、最後の幕を引いたのがジョン・レノンの死だったのだ。
 
ジョン・レノンの享年を越えて私は生きている。彼らの音楽を聴いていたあの頃の私と今の私は、本質的になんら変わっていない。あの日から25年も経ったこと自体が信じられないくらいだ。このまま死ぬまで変わらないのか、あるいはほんのちょっとでも進歩できるのか?